涙が止まらない。感動して泣ける!おすすめ小説10選

タイガーと呼ばれた子--愛に飢えたある少女の物語

トリイ・ヘイデン (著)

第1作、シーラという子の続編ですが、あらすじが書いてあるので問題ありません。幼いころ、母親に捨てられ貧困と様々な虐待の中育ち、自分の存在価値や力のなさを悩みながらも自分なりに大人になり幸せを見つけていくお話です。最後にはこれが自分のやりたい自分だけの仕事だと胸を張って言えるようになった主人公の成長ぶりを読むととても感動します。何度も繰り返して読みたくなる忘れられないお話です。
もちろん1作目の「シーラという子」から読むとより感動できますよ

世界から猫が消えたなら

川村元気 (著)

世界からいろいろな身近にあるものをあることと引き換えに消していくという話なのですが主人公のこれまでの生き方だったり家族や元恋人などとの関わりというものを見つめ直すというのも感じられました。
結構読みやすいということと最後はどうなるんだろう?と気になってしまい結構さくさく読めました。最後の主人公と家族のシーンでは泣いてしまいました。

秘密

東野圭吾(著)

主人公と妻、娘の3人家族で、妻と娘が事故に遭い妻が亡くなります。助かった娘には妻の魂が宿っており、夫婦なのに親子という2人の生活が始まります。
タイトルの通り、物語の最後に大きな「秘密」があります。その秘密が明らかになった時、登場人物がどれほどの気持ちで「秘密」を守ったかを思い号泣してしばらく続きが読めませんでした。テレビドラマ化されていますが、自分で読み返せる小説の方が断然お勧めです。

君の膵臓をたべたい

住野 よる(著)

ライトノベル風の小説で文学的重厚感には欠けるかもしれませんが、純粋な気持ちで読めば素直に感動できる作品だと思います。奇抜なタイトルの意味は、中身を読むと「なるほど!」と納得できます。いわゆる闘病ものとは少し異なるように感じました。病気を患う山内桜良と交流を持ったことによって、主人公の僕が少しずつ良い方向に変わっていくその姿に、一番胸打たれました。

秒速5センチメートル

新海 誠 (著)

まず簡潔にいうと、とても切なくなる物語です。主人公である、貴樹と明里は互いを必要としていたが、小学校卒業後、明里が引っ越しが決まり、二人の距離が遠ざかっていく。
そして中学生になった貴樹は再び明里に会う機会がくる。しかしこれを期に連絡を取り合うこと少なくなり、貴樹は大人になり、恋を繰り返し、ふと明里を思い出すことになる。最後につれ、再び会った時に渡すつもりだった明里の手紙があるのですがそれを読むととても切なくなります。

東京タワー―オカンとボクと、時々、オトン

リリー・フランキー (著)

リリーフランキーが書いている実話を基にした小説なのですが、お母さまとの暮らしを赤裸々につづられていて見ていてとても微笑ましい気持ちになります。
『僕はマザコンです』と堂々と言えるほどにお母さまへの愛にあふれている小説なのですが、そんなお母さまががんに侵され闘病生活の中思い出す昔の親子の記憶に涙が止まりませんでした。
いつの間にか自分と自分の母親に置き換えて読んでしまうほどリアルな小説なので涙なしには読めないと思います。

二つの祖国

山崎豊子 (著)

山崎豊子さん作の「二つの祖国」は内容が非常に重く、魂の涙が流れる小説だと思います。主人公は日系二世で、戦時中は、日本にいれば鬼畜といわれ、アメリカにいても、日本人の血が入っているということで差別されます。その中で、自分の生き方を必死に模索する姿に心を打たれます。戦後、A級戦犯の裁判が行われますが、その時に通訳として働きます。アメリカの心も日本の心もわかる、どちらも大事にしたい主人公が必死に戦争という恐ろしい殺戮の処理に立ち向かいます。生き地獄の中で、自分の人生とは?愛とは?真摯に向き合う姿勢を見せてくれます。私たちは真剣に今を生きているだろうか?魂からのカタルシスを感じて読んでもらいたいです。

レインツリーの国

有川 浩 (著)

主人公は健常者でヒロインが聴覚障がい者の設定の物語です。主人公はヒロインが聴覚障がい者だと分からずにひどい言葉を言って傷つけます。ヒロインも嫌われたくないから自分が聴覚障がい者である事を隠し通そうとしますがひょんな事からヒロインが聴覚障がい者である事がばれてしまいます。
主人公の優しさ、ヒロインの優しさがかえってお互いを傷つけたりと、とても切なく感動します。又恋がしたくなるような小説です。

ほんとうの花を見せにきた

桜庭 一樹 (著)

現実にはありえない中国に残るバンブーというバンパイアと人間の子どもとのファンタジー小説ですが、バンパイアの心の葛藤やバンパイアに親を殺され、更に自分はバンパイアに育てられる人間の子どもの成長が見逃せません。自分は何が欲しいのか、自分はこの先どうしたいのか、バンパイアも人間も悩み、ぶつかり合う姿に読者の思春期の葛藤をも重ね合わせられる小説です。

アルジャーノンに花束を

ダニエル・キイス (著)

知的障害を抱えた男性がある実験に参加し天才的な知能を得た後、今まで自分が置かれていた境遇を第三者の目線として見つめ葛藤してしまったり、初めて恋をしたり、様々な経験をした後不幸なことにまた少しずつ知能が失われて行ってしまうという話です。
自分でもわかるほど自分から知識が抜けていく感覚に恐怖しながら、しっかりと向き合い現実と戦う主人公の姿にいつも読みながら涙してしまいます。
それでも現実は彼にとって非常に厳しく、なかなか理解は得られませんがその中で差し出されるわずかな優しさもまた感動的です。
ラストシーンはいつも嗚咽が止まらないくらいに泣いてしまう私の一番大好きな小説です。